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地上レーザスキャナを活用した「点高法による土量計算」とは?
技術情報

近年の土木測量では、地上レーザスキャナによる高密度な点群データ取得が注目されています。これにより、土量計算や出来形管理において高精度かつ迅速な処理が可能となっています。本記事では、その中でも「点高法」による土量計算について、実際のデータを用いた検証事例を交えて解説します。
点高法とは?
点高法は、格子状に区切った地表面の各点における高さ情報(Z値)を利用し、平均高さと面積から土量を求める手法です。
手順概要
- 地形を一定間隔(例:0.5m)のグリッドに分割
- 各格子の頂点の高さ(点高)を取得
- 平均高さ × 面積 = 各格子の体積
- 全体の体積を合算して土量を算出
これは、施工前後の差分体積を比較するのにも有効です。
使用機材:地上レーザスキャナ
対象地の点群データは、地上型3Dレーザスキャナによって取得されました。これにより、以下の利点が得られます。
- 広範囲の高速測量
- 高密度で正確な地形データ
- 安全性向上(人の立ち入り不要)
精度検証:実例
本検証では、既知の体積をもつ盛土体を対象に、点高法による土量計算の精度を確認しました。
実験概要
- 基準面との高低差から土量を計算
- 0.5m格子での高さ取得
- 点群処理ソフトを用いた自動演算


結果と考察
- メッシュサイズが小さいほど精度が向上
- ノイズや不要物の除去が精度に大きく影響
- 実務上は十分な信頼性あり
実務への応用と注意点
利用シーン
- 切土・盛土の数量算出
- 工事進捗の出来形管理
- 完了検査用の比較データ
注意点
- 樹木や障害物の除去処理が必要
- 格子サイズと地形起伏のバランスに留意
- 地表抽出の精度が全体に影響
まとめ
3Dレーザスキャナと点高法の組み合わせは、現場作業の効率化と測量精度の両立を実現する強力な手法です。実証結果からも、高い信頼性が確認されており、当社にご用命いただければ対応させていただきます。